アート&パフォーマンスの街下北沢を盛り上げるユニークな音楽イベントが昨年5月誕生した。美容師たちの週末に当たる月曜日、その夜を彩るパーティーの名前は『Tokyo Charm』。同イベントの発起人である、美容室「ALPHA」のスタイリスト青木享輔さんに、三矢のモデル・ウィッグ『東京チャーム』への評価と同名のイベントについてお話を伺った。 アルファ・社名ロゴ
目次
  1. 青木享輔さんについて
  2. イベント『Tokyo Charm』を企画したわけ
  3. モデル・ウィッグ『東京チャーム』との出会い
  4. 『東京チャーム』に育ててもらったとは
  5. 『東京チャーム』のよいところ
  6. 魅力1「ドライで切ってもウェットで切ってもよい」
  7. 魅力2「カットした後の毛先のなじみがよい」
  8. 魅力3「頭の形がより人間に近い」
  9. スタイリストを目指す方へのアドバイス
  10. 株式会社三矢への今後の期待
  11. これからのイベント『Tokyo Charm』

1. 青木享輔さんについて

— まず、青木さんご自身についてプロフィールをお聞かせください。

ストリートカット青木享輔、29歳です。高校卒業後、通信教育で美容師の資格を取りました。
21歳のとき、美容室「ALPHA SALIDA」にてスタイリストデビューし、表参道店オープニングメンバーに抜擢。三軒茶屋店ではオープニングから4年間店長を務め、昨年夏から半年間休職。昨年末に表参道店にスタイリストとして復帰しました。イベント『Tokyo Charm』の仕掛け人であり、ソーシャル・ネットワーク・サービスmixiでも、『Tokyo Charm』のコミュニティーを持っています。mixiでのハンドルネームは「頭職人」です。


— 半年間休職されたのは、何のためだったのですか。

ひとことで言えば、自分を見つめ直すためです。思い切って長期休暇を取り、ヨーロッパへ感性を磨く旅に行ってきました。30歳という節目の時期を目前にして、自分の視野を広げ、これからの方向性についても考えてみたかったのです。イギリス、フランス、イタリア、スペインを回り、各地で出会った人の髪を路上でカットさせてもらうという体験もしました。4カ国で10人のストリート・カットを達成。言葉も通じない外国で、毎日緊張の連続でしたが、よい経験になりました。世界遺産の素晴らしさを実感する一方、日本のよさも再認識しました。

2. イベント『Tokyo Charm』を企画したわけ

— 『Tokyo Charm』というイベントの内容を教えてください。

2ヶ月に1回開催される美容師たちを中心としたパーティーです。2007年5月に始まり、今回(2008年7月7日)で7回目を数えます。
目的の一つは、美容師仲間のみんなに喜んでもらえる憩いの場を提供すること。美容院の休日は火曜日が多いので、前日である月曜の夜に開催することにしました。もうひとつの目的は世田谷を盛り上げたいということです。「ALPHA」三茶店の地元ですからね。「クラブでは味わえないアットホームな新しい空間作り」をコンセプトに、下北沢から新しいカルチャーシーンを発信していくつもりです。アート、ファッション、音楽、美容に興味のある人、遊び好きな人たちが集って、朝5時まで楽しめる、そんな空間を提供していきます。


今回は1周年記念なので、メジャーなDJもゲストに迎えて、『Tokyo Charm』の恒例であるネイル、アート、フードを楽しんでいただきました。毎回、僕自身もDJとして参加しています。

— イベントを始められたきっかけは何ですか。

もとはと言えば、昨年「ALPHA」三軒茶屋店の開店三周年記念に、三軒茶屋のカフェバーでパーティーを開いたことです。会場は小さな店でしたが60~70人の人でいっぱいになり、盛り上がりました。それで、定期的にやろうという話になって、もう少しスペースにゆとりがある下北沢のWEDGEというクラブを会場に借りることになりました。

— なぜ『Tokyo Charm』と名づけたのですか。

美容師による美容師のためのパーティーだから、ひとめでそれとわかる言葉がいい。
それなら『Tokyo Charm』がいいとひらめいたんです。美容師なら誰でも知っているし、愛着がある名前ですから。


3.モデル・ウィッグ『東京チャーム』との出会い

— 青木さんと三矢のモデル・ウィッグ『東京チャーム』との出会いについて教えてください。 

「ALPHA」に入店してからですね。通信教育時代にはモデル・ウィッグは使ったことがありませんでした。
当時は、通信教育2年、インターン1年というシステムでしたから、インターンになって初めて使わせてもらえるわけです。
「ALPHA」ではカット・ウィッグは『東京チャーム』、ワインディングは他社というふうになぜか決められていました。今でもずっとそうです。
だから、『東京チャーム』には本当にお世話になっています。『東京チャーム』に育ててもらったようなものですよ。

4. 『東京チャーム』に育ててもらったとは

— イベント名にするほど、青木さんが『東京チャーム』に愛着を持っていらっしゃるのは、常にパートナーとしてモデルウィッグとともに歩んでいらしたからだと思います。実際の練習量はどのくらいだったのですか。

アシスタント時代は相当使っていました。普段はひとつの課題につき3~4個だと思います。
「ALPHA」では、アシスタントは木金土の朝8時半集合で1時間半の勉強会があります。
カット、カラー、ハイライトなどそれぞれのステップに沿って課題が与えられます。
土曜はテスト、日曜はデモとレッスンです。ですから、かなりの台数のウィッグを使います。

スタイリストになってからはそれほどでもないですが、今でも撮影の仕事が入ったときなど、事前にイメージ作りのために絵を描いて、それをもとにカットの練習をすることがあります。ほんと『東京チャーム』なしでは今の自分はないですね。

5. 『東京チャーム』のよいところ

— 『東京チャーム』のよいところを教えてください。

三つあります。
ひとつめは、ドライで切ってもウェットで切ってもよいところ。
ふたつめは、カットした後の毛先のなじみがよいこと。
みっつめは、頭の形がより人間に近いこと。
より生の人間に近い状態の髪で練習できるということが最大のメリットです。

6. 魅力(1)「ドライで切ってもウェットで切ってもよい」

— では、順番にお聞きします。まず、「ドライで切ってもウェットで切ってもよい」とは。 

『東京チャーム』はドライな状態でも、ウェットな状態でも人間の髪に近い感触、風合いなので、どちらの条件の練習にも対応できるいうことです。

「ALPHA」では毎年お店主催のヘア・ショーが開催されます。
普段、お客様の髪はウェットな状態で切りますが、ヘア・ショーではドライの状態でカットする必要があるため、同じ条件での練習が必要になってくるのです。質の悪い人毛だと、実際のモデルを使ってドライで切ったときと同じような感覚が得られないと思います。

僕は現在、1回のヘア・ショーのためにモデル・ウィッグを10台使いますが、若い人では最低20~30台は使います。
ショーでは長い髪のモデルをショートにしていくわけですから、新しいウィッグでないと練習にならないんです。
まして、課題に沿ったものを、短時間で、お客様の前でライブで、しかもドライな状態で切っていくわけですから練習量が必要です。
そんなわけで、30~40名のスタイリストが出演した十数年前のヘアショーでは、ウィッグの生産が間に合わないという椿事件が起きたこともあります。それほど、ドライで切れるウィッグのニーズが高いということですね。

7. 魅力(2)「カットした後の毛先のなじみがよい」

— 次に「カットした後の毛先のなじみがよい」とは。

カットした後の毛先が人間と同じようになるということです。実は僕が休んでいた半年ほどの間に、新しい、安くてメイクができるウィッグを導入してみたらしいのですが、これはカットになじまなくて、もう止めたらしいです。

8. 魅力(3)「頭の形がより人間に近い」

— 最後に「頭の形がより人間に近いこと」とは。 

モデルウィッグの頭のサイズは人間に近いほうが、練習を実践に生かせます。
他社製品のワインディング専用ウィッグは、頭の鉢がちょっと大きいので、違和感があります。やはり、より人間に近いものがいいですね。

9. スタイリストを目指す方へのアドバイス

—これからスタイリストを目指す方へのアドバイスがあったらお願いします。  

モデルウィッグの台数をいっぱいこなすことだけが練習ではないと知ってほしい。
「考える美容師」になってほしいと思います。

自分の中でのイメージを一発で表現できる美容師になってほしい。
そのためには、展開図を描いて、その通りに切る練習をしていくことが必要です。建築の設計図と同じように、グラデーションをどうするかとか、角度は…とか、すべて展開図に描いてみる。そういう練習を積み重ねれば、頭の中で思い浮かべた通りに切れるようになる。きれいな仕事ができるようになります。そうすれば、自分にとって、経済的にも時間的にもコストダウンになる。

僕も18~19歳の頃はたくさんやればできるようになると思った。
最初は、イメージしてもうまくその通りに切れなくて、ウィッグ5台目位でやっとうまくいった。
それが、5~6年修行して、やっと1台のウィッグで切れるようになっていった。
でも、それじゃ「考えない美容師さん」になっちゃう。

人と同じことやっていても仕方がない。考えないでたくさん切るのはやめて、「考える美容師」になってほしい。僕も若いうちにこの方法がわかっていればよかったなぁと思う。だから、ぜひ若い人たちにやってほしいと思います。

10. 株式会社三矢への今後の期待

— 『東京チャーム』のメーカー、株式会社三矢へ今後期待することがありましたらお願いします。 

二つあります。

ひとつは、デザイン面、たとえば首のプレートのロゴなどを改善してほしい。
『東京チャーム』を一番たくさん使うのは若い子たちだと思うんです。若い子たちが好きそうなポップな、可愛いデザインにしてほしいと思います。

ふたつめは、今まで裏方的存在だった三矢さんにもっと前に出てきてほしいということです。たとえば、ヘア・ショーのスポンサーなどで表舞台に出て来ていただきたいし、フライヤーに名前も連ねてほしい。ショーの会場や『Tokyo Charm』のパーティーでも、新商品のサンプルを配ったり、エクステの実演をしたり、カタログを配ったりしていただいてかまいません。僕たち美容師は、業者が紹介してくれたもの、会社が選んだウィッグを使っているだけで、カタログを見たこともないんです。機会があれば、もっと新しいよいものを取り入れていきたいと常に思っています。もっと表に出てきてください。

11. これからのイベント『Tokyo Charm』

— 最後に、今後の『Tokyo Charm』の展開についてお願いします。

他の有名サロンの美容師にも、DJをやっている人がたくさんいます。そういう人たちをピックアップして、交流を深めたい。たとえば、店長だけのDJを集めたDJ集団を作るなど、リーダーとしてまとめていきたいと思います。自由な発想で、美容業界を違った目線から盛り上げたいと思います。



お忙しい中、有り難うございました。 (取材日時 2008年7月)
ALPHAのWebサイト
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